●田上重徳さんの手記より●
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いつであったか、NHKの加山雄三ショウに五木ひろしが出演していて、司会の加山が五木ひろしに「プロとしての条件は何ですか」と聞いた。
五木ひろしは即座に「健康」だと答えた。
理由はプロとして上位を目指そうと思っても、体のどこかが悪くて気になるような所があれば、注意力というか、神経がその方へいって100%の意欲がわかないというものである。
それをきいて私達サラリーマンもプロも同じであろうと思った。
それを聞いたからという訳ではないが、昨年の夏に約2週間入院(*)して、永年悩んできた痔の手術を行った。
考えてみるとお尻の方のことであるから粗末に扱ってきた感があるが、毎日お世話になるところであるから、手術となると患者側からいうと「再発しないか、かえって悪くなりはしないか」と怖いものである。
医者の選び方を間違えると手術の後遺症等で一生ハンディを持つことになるからである。
痔は急を要する病気ではないので、医者選びに失敗しない方法として、石橋をたたいて渡るように時間をかけて手術の経験者に聞いたり、書店で全国名医ガイド(主婦の友社)で調べたりして選んだのが、市内十日市町の(医)石田外科であった。
(*)現在では約10日間ほどの入院で済みます。 |
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いよいよ手術の段階になって手術室に入って、若い看護婦さんから音楽は何がいいですかとヘッドホーンを渡されちょっとびっくりした。
手術と音楽とは予想もしなかったからである。
腰から下の麻酔であるから痛みは少しも感じないが、メスのふれあう音などを患者に聞かせないためと、神経を音楽の方にそらせるためであろうと思った。
手術は準備などを入れて1時間位で終わった。
麻酔が手術後1時間半くらいできれたが、予想していたよりも痛く感じなかった。
手術したのであるから多少は痛いが我慢できぬほどの痛みではなかった。
手術した翌朝、病室に若いきれいな看護婦さんが「消毒しまーす、お尻を出して下さーい」と来たのでちょっと戸惑った。
それは、20数年来一緒にいる家の女房殿にも「おしり」の方だけは、しげしげとアップで見せたことはなかったからである。
ましてや美人の看護婦さんなら尚更である。
それから約2週間、消毒や治療のたびに「おしり」を出しての、先生や看護婦さん達との対話が続いたわけであるが、体中で一番格好が悪く、人に見せない部分を治療してもらったからであろうか、先生や看護婦さん達一様に、言い知れぬ親近感を抱いたものである。
ところで私の手術前の症状、手術の方法などについて触れておかねばならないが、専門的なことは先生のスライド教室(隔週1回入院患者を対象にスライドによる教育がある)からそのまま引用させていただいた。
私の場合は6〜7年前からときどき出血するようになり、3年位前から排便時に脱出するようになり、手術前半年位は自然に戻らないようになったものである。
「痔」の分類では内痔核である。
肛門の周囲にある網の目のような血管に「うっ血」ができるもので痔の半分以上がこのタイプだそうである。
手術は、肛門を中心に、放射状に3ヶ所ほど切り、皮下のうっ血部分を取り除く結紮切除法で行われた。
姿勢はうつぶせの姿勢で手術するので比較的楽であり、女性でもあお向けの姿勢のような羞恥心を伴うようなことはない。
外来患者に意外に若い女性が多いのに驚かされたが、入院患者も20人位の中で5人位は女性である。「便秘」による「裂肛」いわゆる「きれ痔」が若い女性に目立つそうである。 |
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「便秘」について注意することは、便意を感じたら我慢せずにすぐに排便するよう心掛けること。
長時間我慢すると、腸が水分を吸収してますます便が硬くなるという。
それから朝食をきちんと食べない若い女性が増えているが、これも便秘をひどくする原因となる。
腸は夜活動していて、朝食を食べることにより、腸が収縮し排便活動を起こすそうである。
痔や便秘は食事は繊維の多いイモ類、穀類、豆類、野菜、果物をよく食べて、便通をよくして「おしり」を清潔にすることが第一であると石田先生は教えている。
手術後の経過は申すまでもないことながら、6〜7年近く悩んできただけに痔になる以前より爽やかな感じがするようである。
いつも笑顔を絶やさない信頼できる先生と10人前後の若いフレッシュな看護婦さん達に囲まれて楽しい入院生活であったことを附記して私の入院記を終わりたい。
最後に私は、今まで花や、季節の風物詩などのコラムを書き続けてきて、一変して「おしり」のことを書くのはどうかと思ったが、意外に潜在痔主が多いことを知り敢えて書くことにした。
多少なり参考になれば幸いである。 |
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