大腸肛門病クリニック

参考文献:社会保険中央総合病院副院長
岩垂純一先生監修
「肛門診察の実際」

肛門科をはじめて受診するのに、特別な準備はいりません。
ただ一つだけ、診察を受ける上でお願いしたいのは、「できるだけ排便を済ませておいてください。」ということだけです。
ただし、強い下剤を服用したり浣腸をしたりしないで下さい。
このような薬を用いると、自然な直腸肛門の状態を見誤るからです。
普段から朝にスムーズな排便ができるように、睡眠を充分にとり、早めに起きて朝食をしっかりとるなど心がけてください。


診察でまず行われるのは、問診です。
まず、問診表に記入していただき看護婦が補足質問をしていきます。
問診を参考に診断を進めていきますので、正確に答えられるように自分の症状を整理しておいてください。
また、今服用しているお薬がありましたら、参考のためご持参下さい。


診察室はカーテンで仕切られています。
診察台で左側を下にしてまず横向きに休んでいただきます。
服を脱がれる必要はありません。それから排便時のように、衣服を滑らして、お尻だけ出るようにして下さい。
露出部分には、バスタオルを掛け、プライバシーを守るようにしております。
当院では「シムス体位」にて診察を行います。
ズボンやパンツを少しずらすだけですので、心配いりません。
シムス体位
診察は、患者さんの背中側から行いますので、安心して横になって下さい。
肛門鏡という器具を使って診察しますが、緊張して力を入れられると、診察が難しくなり、かえって時間がかかります。
口を開けて、口で息をすれば、肛門の力が抜けます。
補助診断として、直腸鏡診、怒責診、肛門内圧診、肛門直腸エコー診などを行うこともあります。
必要な場合は、日を改め、前もって腸の中を空にしてから、大腸内視鏡検査や、注腸検査をすることがあります。


直腸鏡診察
肛門の奥をさらに詳しく調べたいときに行います。
怒責診
直腸脱など肛門の周りがゆるんで、どの位脱出しているのかを
見るのに排便姿勢をとって力んでもらいます。
肛門内圧診
お尻のしまりの弱い方にしまりの程度を調べます。
肛門直腸エコー診
肛門や直腸の周囲にウミがたまったり、異常がないか調べます。
大腸内視鏡検査
肛門から大腸ファイバースコープを挿入して盲腸まで調べます。
注腸検査
肛門からバリウムを流し大腸全体を映し出してレントゲンを撮ります。


全ての診察が終わると、医師から病気についての説明があります。
痔の種類や程度、これからの治療方針など、患者さんにわかりやすくご説明いたします。
何か不安なことや疑問があれば、ご遠慮なくおたずねください。


誤った日常生活を続けていると起こるのが痔疾患です。
ですから、先生に治してもらおうとか、薬で治すとかの考え方では、なかなか治るものではなく、くり返す内に進んでしまいます。
私たちは、適切な生活法や、治療法をご指導し、皆さんの健康回復の手助けをいたしますが、自分自身で病気の原因を自覚し、自分でよりよい生活習慣に改めようとする、患者さんの姿勢が一番大切なことなのです。